2020年12月12日
73問目は、択一式の社会保険一般常識です。
正答率37%の問題です。
<問題( 択一式 社一 問5 )>
〔問〕 社会保険労務士法等に関する次のアからオの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記AからEまでのうちどれか。
ア 社会保険労務士が、個別労働関係紛争に関する民間紛争解決手続(裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律(平成16年法律第151号)第2条第1号に規定する民間紛争解決手続をいう。)であって、個別労働関係紛争の民間紛争解決手続の業務を公正かつ適確に行うことができると認められる団体として厚生労働大臣が指定するものが行うものについて、単独で紛争の当事者を代理する場合、紛争の目的の価額の上限は60万円とされている。
イ 社会保険労務士及び社会保険労務士法人が、社会保険労務士法第2条の2及び第25条の9の2に規定する出頭及び陳述に関する事務を受任しようとする場合の役務の提供については、特定商取引に関する法律(昭和51年法律第57号)が定める規制の適用除外となる。
ウ 開業社会保険労務士が、その職責又は義務に違反し、社会保険労務士法第25条第2号に定める1年以内の社会保険労務士の業務の停止の懲戒処分を受けた場合、所定の期間、その業務を行うことができなくなるので、依頼者との間の受託契約を解除し、社会保険労務士証票も返還しなければならない。
エ 社会保険労務士会は、所属の社会保険労務士又は社会保険労務士法人が社会保険労務士法若しくはこの法律に基づく命令又は労働社会保険諸法令に違反するおそれがあると認めるときは、会則の定めにかかわらず、当該社会保険労務士又は社会保険労務士法人に対して、注意を促し、又は必要な措置を講ずべきことを勧告することができる。
オ 開業社会保険労務士又は社会保険労務士法人の使用人その他の従業者は、開業社会保険労務士又は社会保険労務士法人の使用人その他の従業者でなくなった後においても、正当な理由がなくて、その業務に関して知り得た秘密を他に漏らし、又は盗用してはならない。
A (アとウ) B (アとエ) C (アとオ)
D (イとエ) E (イとオ)
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step1 正解は・・・
B
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step2 解説
ア × (法2条1項1号の6) 紛争の目的の価額が「120万円」までは、特定社会保険労務士が単独で、紛争の当事者を代理することができる。なお、紛争の目的の価額が120万円を超える場合には、弁護士との共同受任が必要である。
イ 〇 (法2条の2、法25条の9の2、特定商取引法施行令5条及び別表第2、平27.3.30基発0330第3号、年管発0330第3号) 本肢のとおりである。
ウ 〇 (法25条、法14条の12、社会保険労務士法詳解) 本肢のとおりである。なお、業務の停止処分を受けても、社会保険労務士たる資格は失わないため、登録は抹消されない。
エ × (法25条の33) 社会保険労務士会は、所属の社会保険労務士又は社会保険労務士法人が社会保険労務士法若しくは同法に基づく命令又は労働社会保険諸法令に違反するおそれがあると認めるときは、「会則の定めるところにより」、当該社会保険労務士又は社会保険労務士法人に対して、注意を促し、又は必要な措置を講ずべきことを勧告することができる。
オ 〇 (法27条の2) 本肢のとおりである。なお、法21条(秘密を守る義務)又は法27条の2(開業社会保険労務士又は社会保険労務士法人の使用人等の秘密を守る義務)の規定に違反した者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられる。
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step3 コメント
・択一式の社会保険一般常識の問5は、社会保険労務士法等に関する問題でした。アとエが誤りであり、正解はB (アとエ)となります。ただ、アの誤りが数字であり基本事項でしたので、アの肢の誤りは見抜けても、エの誤りは注意深く問題文を読まないと見落としてしまうこともあり、ここはかなり迷った挙句、A (アとウ)にしてしまった方が多かったように見受けられます。
明日もがんばりましょう。
2020年12月11日
12月13日(日)の東京本校のLIVE講義は、14時からの開始となります。
いつもは、10時半から講義を2コマ、実施していますが、12月13日(日)は雇用保険法①の1コマだけになります。
お間違えの無いようにお越しください。
なお、当日は、無料体験も実施していますので、講座にご興味のある方は、参加してください。
(2021年向けの無料体験に参加したことがある方は対象外となります。)
72問目は、択一式の健康保険法です。
正答率39%の問題です。
<問題( 択一式 健保 問7 )>
〔問〕 健康保険法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
A 日雇特例被保険者が療養の給付を受けるには、これを受ける日において当該日の属する月の前2か月間に通算して26日分以上又は当該日の属する月の前6か月間に通算して78日分以上の保険料が納付されていなければならない。
B 全国健康保険協会の短期借入金は、当該事業年度内に償還しなければならないが、資金の不足のため償還することができないときは、その償還することができない金額に限り、厚生労働大臣の認可を受けて、これを借り換えることができる。この借り換えた短期借入金は、1年以内に償還しなければならない。
C 保険者は、保健事業及び福祉事業に支障がない場合に限り、被保険者等でない者にこれらの事業を利用させることができる。この場合において、保険者は、これらの事業の利用者に対し、利用料を請求することができる。利用料に関する事項は、全国健康保険協会にあっては定款で、健康保険組合にあっては規約で定めなければならない。
D 健康保険組合の設立を命ぜられた事業主が、正当な理由がなくて厚生労働大臣が指定する期日までに設立の認可を申請しなかったとき、その手続の遅延した期間、その負担すべき保険料額の2倍に相当する金額以下の過料に処する旨の罰則が定められている。
E 任意継続被保険者は、将来の一定期間の保険料を前納することができる。この場合において前納すべき額は、前納に係る期間の各月の保険料の額の合計額である。
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step1 正解は・・・
E
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step2 解説
A 〇 (法129条2項) 本肢のとおりである。なお、保険者は、日雇特例被保険者が、本肢の要件に該当することを、日雇特例被保険者手帳によって証明して申請したときは、これを確認したことを表示した受給資格者票を発行し、又は既に発行した受給資格者票にこれを確認したことを表示しなければならない。
B 〇 (法7条の31第2項・3項) 本肢のとおりである。
C 〇 (法150条4項、則154条) 本肢のとおりである。
D 〇 (法218条) 本肢のとおりである。
E × (法165条2項、令49条) 前納する場合の保険料の額は、前納に係る期間の各月の保険料の合計額から、その期間の各月の保険料の額を年4分の利率による複利現価法によって前納に係る期間の最初の月から当該各月までのそれぞれの期間に応じて割り引いた額の合計額を控除した額である。
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step3 コメント
・択一式の健康保険法の問7は、Aは基本事項であるものの、B~Dの難易度が高かったため、Eの誤りは比較的容易に見抜けるはずですが、正解できなかった方も多かったように見受けられます。
・本問のように、正解肢以外の肢の難易度が高いとそれに引っ張られてしまい、それほど難易度が高くない肢も難しいように感じてしまう傾向があります。誤り探しの問題の場合には、ひとつの誤りを見つけ出せれば正解になり、ある意味、他の4つの肢の正誤がわからなくても正解できる場合がありますので、諦めずに解答を探りましょう。なお、本問の合格者の正答率は50%を超えています。
明日もがんばりましょう。