2021年03月18日
若年者の雇用の実態
【平成30年若年者雇用実態調査の概況[事業所調査]】
(1)若年労働者のいる事業所の割合
平成30年10月1日現在で、若年労働者が就業している事業所の割合は76.0%となっておりその内訳は「若年正社員がいる」事業所が63.9%、「正社員以外の若年労働者がいる」事業所が38.1%となっている。
<ポイント>
・4社に3社で若年労働者が就業している状況であり、正社員がいる事業所の方が正社員以外の若年労働者がいる事業所よりも多い。
(2)正社員の採用選考にあたり重視した点
若年正社員の採用選考をした事業所のうち、採用選考にあたり重視した点(複数回答)について採用区分別にみると、「新規学卒者」、「中途採用者」とも「職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神」がそれぞれ77.9%、76.0%と最も高くなっている。
次いで「新規学卒者」、「中途採用者」と も「コミュニケーション能力」(71.1%、62.9%)、「マナー・社会常識」(61.0%、60.1%)と なっており、積極性や他者との関わり合いの中で円滑に業務を遂行することができる能力、スキル が重視されている。
<ポイント>
・採用選考にあたり重視した点としては、①「職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神」、②「コミュニケーション能力」、③「マナー・社会常識」の順を頭に入れておいてください。
明日もがんばりましょう。
日頃、みなさんは、どのくらい睡眠をとっていますか?
試験へ向けての学習をしているみなさんにとって、比較的、睡眠時間は短いのではないでしょうか。
本日、3月18日は、「世界睡眠の日」。
実は、睡眠の日は3月18日と9月3日の年2回ある
とのことです。
また、日本人の平均睡眠時間は、世界各国と比べても少なく、OECD(経済協力開発機構)が28カ国を対象に調査した結果、日本は、韓国に次いで2番目に睡眠時間が短いことが判明しています。
睡眠の日とは直接関係ありませんが、最近では、経営者も睡眠を十分にとるように気を付けているようです。
『短時間睡眠は時代遅れ 名だたるCEOが8時間宣言』 日経電子版2016/12/26
この機に、睡眠について考えることも必要なことかもしれません。
ぐっすり寝ることで、集中力のある効率良い学習をしていきたいものですね。
2021年03月17日
<推定予想問題(若年層の雇用動向)>
〔問〕 若年層の雇用動向に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、本問は「労働力調査(基本集計)令和2年平均(速報)結果の概要」及び「労働力調査(詳細集計)2020年(令和2年)平均結果の概要」を参照しており、当該調査による用語及び統計等を利用している。ここでは、「若年層」とは15~34 歳とし、「若年無業者」とは、15~34 歳の非労働力人口のうち家事も通学もしていない者、「35~44歳無業者」とは、35~44歳の非労働力人口のうち家事も通学もしていない者をいう。
A 若年無業者数は、2020年平均で136万人と、前年に比べ13万人の大幅な増加となり、若年無業者の人口に対する割合は、前年に比べ0.6ポイントの大幅な上昇となった。
B 35~44歳無業者数は、2020年平均で39万人であり、前年と変わらない。若年無業者数が2020年平均で13万人の増加と大幅に増えたのは、15歳~24歳の若年無業者数が増えたことが要因に挙げられる。また、若年無業者数と35~44歳無業者数を年齢階級別にみると、35~44歳が最も多く、次いで15歳~24歳、25歳~34歳の順である。
C 「パート・アルバイト及びその希望者」のうち若年層(いわゆるフリーター)の数は、2020年平均で69万人と、前年に比べ2万人の減少となった。
D 「若年層のパート・アルバイト及びその希望者」(いわゆるフリーター)を男女別にみると、2020年平均では男性の方が女性よりも多い。
E 15歳から44歳までの「パート・アルバイト及びその希望者」の人数を年齢階級別にみると、2020年平均では15~24歳が最も多く、次いで25~34歳、35~44歳の順である。
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step1 正解は・・・
B
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step2 解説
A ☓ (労働力調査(基本集計)令和2年平均(速報)結果の概要) 若年無業者数は、2020年平均で「69万人」と、前年に比べ13万人の増加となり、若年無業者の人口に対する割合は、前年に比べ0.6ポイントの上昇となった。「136万人」は、「パート・アルバイト及びその希望者」のうち若年層(いわゆるフリーター)の数である。
B 〇 (労働力調査(基本集計)令和2年平均(速報)結果の概要) 本肢のとおりである。
C ☓ (労働力調査(詳細集計)2020年(令和2年)平均結果の概要) 「パート・アルバイト及びその希望者」のうち若年層(いわゆるフリーター)の数は、2020年平均で「136万人」と、前年に比べ2万人の減少となっ。「69万人」は、2020年平均の若年無業者数である。
D ☓ (労働力調査(詳細集計)2020年(令和2年)平均結果の概要) 「若年層のパート・アルバイト及びその希望者」(いわゆるフリーター)を男女別にみると、男性は67万人、女性は69万人であり、女性の方が男性よりも多い。
E ☓ (労働力調査(詳細集計)2020年(令和2年)平均結果の概要) 2020年平均の「パート・アルバイト及びその希望者」の人数を年齢階級別にみると、15~24歳は59万人、25~34歳は77万人、35~44歳は50万人であり、「25~34歳」が最も多く、次いで「15~24歳」、35~44歳の順である。
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step3 コメント
・「労働力調査(基本集計)」及び「労働力調査(詳細集計)」から、「若年層の雇用動向」の択一式問題でしたが、かなり難しかったと思います。どの統計にもいえることですが、おおまかな数字、増減、順番を押さえておいてください。
・若年無業者数とフリーターの人数は、混同しないようにしてください。若年無業者数は約70万人で、フリーターの人数は約140万人ですから、倍違います。
・今回、若年無業者が13万人増と大幅に増えていますが、増えたのはすべて15~24歳であることは驚きです。また、若年無業者の人口に対する割合は、前年に比べ0.6ポイントの大幅な上昇となっていて、目を引く箇所です。
・無業者は、35~44歳が39万人と一番多く、次いで15~24歳の37万人(今回、13万人増加したため)、25~34歳の32万人の順となっています。本来、35~44歳は働き盛りで社会で活躍すべき年代であるのに無業者が多いのは、就職氷河期のときに就職活動をしなければならなかったからです。実は就職氷河期に社会人となった40歳前後の年代に引きこもり人口が集中しており、就職活動につまずいてしまった人が、世間になじめないまま引きこもりになったという過程があると考えられています。また、この世代は晩婚化や独身化する人が多く、少子化問題にも影響していると考えられています。このようなことから、政府はそれを改善するための施策を講じています(プラスα参照)。実は、この年齢層は就職難のためその当時から若年無業者が多かったものの、時間の経過と共に少なくなると見込まれていましたが、一向に減らなかったため、近年になって政府は危機感を感じ始めました。「35~44歳無業者数」が労働力調査に取り上げられたのが昨年の令和元年調査からであることからも、この動向をおっていく姿勢が見られます。なお、今回、新型コロナウイルスの影響で、新卒内定取り消し等のニュースが出ており、若年無業者数が13万人と大幅に増えていることからも、「第二の就職氷河期世代が生まれてしまうのでは?」と不安の声が出始めています。
・Cにあるように、フリーターは減っていますので、若年無業者が増えていることと対比して押さえておきましょう。
・Eは、15歳から44歳までの「パート・アルバイト及びその希望」の人数を年齢階層別にみると、多い方から25~34歳、15~24歳、35~44歳の順になります。15~24歳の人口は1,213万人であるものの、労働力人口は590万人であり、その中での 「パート・アルバイト及びその希望者」の人数となりますのでどうしても少なくなります。25~34歳は、人口が1,290万人中、労働力人口は1,143万人ですから25~34歳の方が母体が大きくなります。35~44歳は、さすがに働き盛りの年齢ですから、3番目になります。ここは、無業者数の順番とは異なりますから、すみ分けて覚える必要があります。
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step4 プラスα
■就職氷河期世代とは
就職氷河期世代とは、バブル崩壊後の1993年から2005年卒業で就職活動に差し掛かった年代を指します。
バブルの崩壊を受けてほとんどの企業の有効求人倍率が1を割り、この期間に就職活動を強いられた世代を就職氷河期世代と呼び、高卒では、75年から85年ごろに、大卒者では70年から80年に生まれた人たちが該当しますので、現在35歳~50歳手前ぐらいの年齢が該当します。
就職氷河期世代は、正規雇用としての経歴が薄い人が多く、そのためスキルや能力を発揮するチャンスやキャリアアップに恵まれず、昇格や賞与という企業の恩恵を受けないばかりか転職も不利になってしまっています。
そのため、政府は、「就職氷河期世代活躍支援プラン」を実施しています。
これは、同世代で活躍する人達と同様の活躍の場を広げられるように3年間で集中して取り組むプログラムです。
支援の対象となるのは「正規雇用を希望していながら非正規雇用で働く者」「就業を希望しているが様々な事情により求職活動をしていない長期無業者(無職)」で、同世代の正規雇用者を30万人増やすことを目指した内容になっています。
明日もがんばりましょう。