2020年01月08日

「ランチタイム・スタディ」の第64問です。

「ランチタイム・スタディ」の主旨については、9月23日の佐藤塾ブログの
『「ランチタイム・スタディ2019本試験」開始のお知らせ(ブログの記事のご案内)』をご覧ください。

さて、64問目は、択一式の国民年金法です。

正答率49%の問題です。

※正答率が5割を割り込んでいます。このあたりの問題が解けるかどうかかが正念場となります。

<問題( 択一式 国年 問8 )>

〔問〕 国民年金法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

A 学生納付特例の期間及び納付猶予の期間を合算した期間を10年以上有し、当該期間以外に被保険者期間を有していない者には、老齢基礎年金は支給されない。なお、この者は婚姻(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある場合も含む。)したことがないものとする。

B 日本国籍を有している者が、18歳から19歳まで厚生年金保険に加入し、20歳から60歳まで国民年金には加入せず、国外に居住していた。この者が、60歳で帰国し、再び厚生年金保険に65歳まで加入した場合、65歳から老齢基礎年金が支給されることはない。なお、この者は婚姻(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある場合も含む。)したことがなく、上記期間以外に被保険者期間を有していないものとする。

C 老齢厚生年金を受給中である67歳の者が、20歳から60歳までの40年間において保険料納付済期間を有しているが、老齢基礎年金の請求手続きをしていない場合は、老齢基礎年金の支給の繰下げの申出をすることで増額された年金を受給することができる。なお、この者は老齢基礎年金及び老齢厚生年金以外の年金の受給権を有していたことがないものとする。

D 67歳の男性(昭和27年4月2日生まれ)が有している保険料納付済期間は、第2号被保険者期間としての8年間のみであり、それ以外に保険料免除期間及び合算対象期間を有していないため、老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていない。この男性は、67歳から70歳に達するまでの3年間についてすべての期間、国民年金に任意加入し、保険料を納付することができる。

E 障害基礎年金を受給中である66歳の女性(昭和28年4月2日生まれで、第2号被保険者の期間は有していないものとする。)は、67歳の配偶者(昭和27年4月2日生まれ)により生計を維持されており、女性が65歳に達するまで当該配偶者の老齢厚生年金には配偶者加給年金額が加算されていた。この女性について、障害等級が3級程度に軽減したため、受給する年金を障害基礎年金から老齢基礎年金に変更した場合、老齢基礎年金と振替加算が支給される。




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step1 正解は・・・



D
   


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step2 解説

A 〇 (法26条) 老齢基礎年金は、保険料納付済期間又は保険料免除期間(学生の保険料の納付特例及び保険料納付猶予制度の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係るものを除く)を有する者が65歳に達したときに支給されるため、学生納付特例の期間及び納付猶予の期間(いわゆるカラ期間)のみを有するものには支給されない。

B 〇 (法26条) 本肢のとおりである。20歳から60歳まで国外に居住し国民年金に未加入であった期間は合算対象期間とされる。また、厚生年金保険に加入していた20歳前の期間及び60歳以後の期間についても合算対象期間となる。したがって、本肢の者は、保険料納付済期間又は保険料免除期間を有しないため、65歳から老齢基礎年金が支給されることはない。

C 〇 (法28条1項) 本肢のとおりである。老齢基礎年金の受給権を有する者であって、66歳に達する前に当該老齢基礎年金を請求していなかったものは、他の要件を満たすことで、老齢基礎年金の支給繰下げの申出をすることができる。

D ✕ (平6法附則11条、平16法附則23条) 昭和40年4月1日以前に生まれた者であって、老齢又は退職を支給事由とする年金たる給付等の受給権を有しない者は、厚生労働大臣に申し出て、特例任意加入被保険者となることができるが、本肢の者は、第2号被保険者期間としての被保険者期間を8年間有しているため、特例任意加入被保険者として保険料を納付することができる期間は「2年間」である。

E 〇 (昭60法附則14条1項) 本肢のとおりである。老齢基礎年金の受給権者が、大正15年4月2日から昭和41年4月1日までの間に生まれた者であって、65歳に達するまで配偶者加給年金額の対象であったものは、振替加算の要件を満たしているため、本肢の場合には、老齢基礎年金に振替加算が加算される。





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step3 コメント

・択一式の国民年金法の問8は事例問題でした。一肢一肢の問題文を読むだけで時間がかかるため、投げ出してしまいたくなる人が多いのではないでしょうか。ただ、正解肢のDは、特例任意加入は受給権を有する場合は、被保険者となることができないため、問題文の設定の場合、保険料納付済期間、保険料免除期間及び合算対象期間を合算した期間が10 年に達するまでの2年間しか保険料を納められないことになります。そこが理解できていれば、問題を解く時間はかかったとしてもおかしいと気づくことができるはずです。粘り強く取り組んでください。



明日もがんばりましょう。




2020年01月07日

「ランチタイム・スタディ」の第63問です。

「ランチタイム・スタディ」の主旨については、9月23日の佐藤塾ブログの
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さて、63問目は、択一式の健康保険法です。

正答率49%&合否を分けた問題です。

※ついに正答率が5割を割り込みました。このあたりの問題が解けるかどうかかが正念場となります。
※「合否を分けた問題」とは、「合格者だけの正答率」と「全体の正答率(ただし、全体正答率65%未満)」とで、13%以上差が開いた問題で、2019年本試験択一式70問中、全部で15問あります。

<問題( 択一式 健保 問4 )>

〔問〕 健康保険法に関する次のアからオの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記AからEまでのうちどれか。

ア 代表者が1人の法人の事業所であって、代表者以外に従業員を雇用していないものについては、適用事業所とはならない。

イ 厚生労働大臣は、保険医療機関の指定をしないこととするときは、当該医療機関に対し弁明の機会を与えなければならない。

ウ 出産手当金を受ける権利は、出産した日の翌日から起算して2年を経過したときは、時効によって消滅する。

エ 傷病手当金の一部制限については、療養の指揮に従わない情状によって画一的な取扱いをすることは困難と認められるが、制限事由に該当した日以後において請求を受けた傷病手当金の請求期間1か月について、概ね10日間を標準として不支給の決定をなすこととされている。

オ 政令で定める要件に該当するものとして厚生労働大臣の承認を受けた健康保険組合は、介護保険第2号被保険者である被保険者に関する保険料額を、一般保険料額と特別介護保険料額との合算額とすることができる。

A(アとイ)  B(アとウ)  C(イとエ)  
D(ウとオ)  E(エとオ)




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step1 正解は・・・



B
   


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step2 解説

ア ✕ (法3条3項、昭24.7.28保発74号) 法人の事業所は、代表者以外に従業員を雇用していない場合であっても、適用事業所となる。

イ 〇 (法83条) 本肢のとおりである。なお、この場合においては、あらかじめ、書面で、弁明をすべき日時、場所及びその事由を通知しなければならない。

ウ ✕ (法193条1項、昭30.9.7保険発199号の2) 出産手当金の時効の起算日は、「労務に服さなかった日ごとに」その翌日である。

エ 〇 (法119条、昭26.5.9保発37号) 本肢のとおりである。なお、療養の給付については、正当の理由なく療養の指揮に従わない顕著な事実があって、これを矯正するのに他の手段が行われ難い場合に限り、制限の対象とすることとされている。

オ 〇 (法附則8条1項・2項) 本肢のとおりである。通常の介護保険料額は定率の介護保険料率を用いて算定するが、特別介護保険料額とは、1又は2以上の標準報酬月額の等級区分について、定額の保険料を設定することにより算定する方式である。





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step3 コメント

・択一式の健康保険法の問4は、アとウの誤りが基本的なものですから、それだけでBと迷わず解答したいところですが、どちらかがあやふやである場合、イ、エ、オとも比較的難易度が高いため、正解にたどり着けないことになってしまいます。しかも、イ、エ、オの正誤判断をするのに迷う分、時間がかかることになります。したがって、アとウの基本事項が理解できていたかどうかで、すぐに解答できたか、時間がかかってしまった上に正解できなかったかという明暗が分かれることから、合否を分けた問題になったと思われます。



明日もがんばりましょう。




2020年01月06日

「ランチタイム・スタディ」の第62問です。

「ランチタイム・スタディ」の主旨については、9月23日の佐藤塾ブログの
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さて、62問目は、択一式の労働基準法です。

正答率50%の問題です。

※正答率がちょうど50%です。2人に1人が正解している問題です。

<問題( 択一式 労基 問3 )>

〔問〕 労働基準法の総則に関する次のアからオの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記AからEまでのうちどれか。

ア 労働基準法第4条が禁止する「女性であることを理由」とした賃金についての差別には、社会通念として女性労働者が一般的に勤続年数が短いことを理由として女性労働者の賃金に差別をつけることが含まれるが、当該事業場において実際に女性労働者が平均的に勤続年数が短いことを理由として女性労働者の賃金に差別をつけることは含まれない。

イ 労働基準法第5条は、使用者は、労働者の意思に反して労働を強制してはならない旨を定めているが、このときの使用者と労働者との労働関係は、必ずしも形式的な労働契約により成立していることを要求するものではなく、事実上の労働関係が存在していると認められる場合であれば足りる。

ウ 労働基準法第7条に基づき「労働者が労働時間中に、選挙権その他公民としての権利を行使」した場合の給与に関しては、有給であろうと無給であろうと当事者の自由に委ねられている。

エ いわゆる芸能タレントは、「当人の提供する歌唱、演技等が基本的に他人によって代替できず、芸術性、人気等当人の個性が重要な要素となっている」「当人に対する報酬は、稼働時間に応じて定められるものではない」「リハーサル、出演時間等スケジュールの関係から時間が制約されることはあっても、プロダクション等との関係では時間的に拘束されることはない」「契約形態が雇用契約ではない」のいずれにも該当する場合には、労働基準法第9条の労働者には該当しない。

オ 私有自動車を社用に提供する者に対し、社用に用いた場合のガソリン代は走行距離に応じて支給される旨が就業規則等に定められている場合、当該ガソリン代は、労働基準法第11条にいう「賃金」に当たる。

A (アとウ)    B (アとエ)    C (アとオ)
D (イとエ)    E (イとオ)




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step1 正解は・・・



C
   


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step2 解説

ア ✕ (法4条、昭22.9.13発基17号) 労働者が女性であることのみを理由とすることはもとより、「社会的通念として」又は「当該事業場において」、女性労働者が一般的に又は平均的に勤続年数が短いこと等の理由によって女性労働者に対し賃金に差別をつけることは、法4条違反となる。

イ 〇 (法5条、昭23.3.2 基発381号) 本肢のとおりである。

ウ 〇 (法7条、昭22.11.27 基発399号) 本肢のとおりである。公民権行使の時間については、使用者に賃金の支払義務は課せられていないため、有給にするか無給にするかは当事者の自由である。

エ 〇 (法9条、昭63.7.30基収355号) 本肢のとおりである。本肢にある、いわゆる芸能タレント通達4要件のいずれにも該当する場合には、法9条の労働者には該当しないとされる。

オ ✕ (法11条、昭28.2.10基収6212号、昭63.3.14基発150号) 社用に用いた走行距離に応じて支給されるガソリン代は実費弁償であり、賃金ではない。





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step3 コメント

・択一式の労働基準法の問3は、総則に関する組合せ問題で、やや難易度が高い問題でした。アからウの正誤は容易ですが、エは未出題の問題であり、「芸能タレント通達4要件」がおそらく文脈から正しいと判断するしかないため、多くの受験生にとっては正誤の確信が持てなかったはずです。組合せ問題の選択肢でもA~Cにアが入っていますので、試験委員も多くの受験生がアが誤りであると判断するであろうと考えたのでしょう。アが誤りとわかっても2択にはならず3択にしかなりません。

・オは労基法のテキストの「賃金に該当するか否か」の箇所を理解できていたかどうか、すなわち、テキスト読みがしっかりできていたかどうかで明暗が分かれることになります。オは、通勤定期券や通勤手当は賃金となりますが、出張旅費、社用交際費、作業用品代等の実費弁償的 なものは賃金ではないため、社用に用いた走行距離に応じて支給されるガソリン代は実費弁償であり、賃金ではないとされます。したがって、本問は、オの1肢の正誤が判断できたか否かにかかっていたといえます。



今年もよろしくお願いします。
明日以降もがんばりましょう。