2017年01月04日

「ランチタイム・スタディ」の第60問です。
新年、最初の問題になります。
今年もよろしくお願いします。

「ランチタイム・スタディ」の主旨については、9月29日の佐藤塾ブログの
「ランチタイム・スタディ」開始のお知らせをご覧ください。

「ランチタイム・スタディ」の活用法については、10月22日の佐藤塾ブログの「ランチタイム・スタディの活用法」をご覧ください。


さて、60問目は、択一式の徴収法です。

正答率52%の問題です。

※正答率52%~58%辺りの5割ちょっと超えの問題はかなり多いです。この辺りの問題が正解できるかどうかが正念場とも言えそうです。



<問題(択一式 徴収 雇問10)>


〔問〕 時効、書類の保存等に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。

ア 労働保険料その他労働保険徴収法の規定による徴収金を徴収する権利は、国税通則法第72条第1項の規定により、5年を経過したときは時効によって消滅する。

イ 時効で消滅している労働保険料その他労働保険徴収法の規定による徴収金について、納付義務者がその時効による利益を放棄して納付する意思を示したときは、政府はその徴収権を行使できる。

ウ 政府が行う労働保険料その他労働保険徴収法の規定による徴収金の徴収の告知は、時効中断の効力を生ずるので、納入告知書に指定された納期限の翌日から、新たな時効が進行することとなる。

エ 事業主若しくは事業主であった者又は労働保険事務組合若しくは労働保険事務組合であった団体は、労働保険徴収法又は労働保険徴収法施行規則の規定による書類をその完結の日から3年間(雇用保険被保険者関係届出事務等処理簿にあっては、4年間)保存しなければならない。

オ 厚生労働大臣、都道府県労働局長、労働基準監督署長又は公共職業安定所長が労働保険徴収法の施行のため必要があると認めるときに、その職員に行わせる検査の対象となる帳簿書類は、労働保険徴収法及び労働保険徴収法施行規則の規定による帳簿書類に限られず、賃金台帳、労働者名簿等も含む。

A 一つ
B 二つ
C 三つ
D 四つ
E 五つ




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step1 正解は・・・



B


   

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step2 解説


ア ☓ (法41条)労働保険料その他労働保険徴収法の規定による徴収金を徴収する権利は、「2年」を経過したときは、時効によって消滅する。

イ ☓ (法41条、国税通則法72条2項)徴収金に係る権利の時効については、その援用を要せず、また、その利益を放棄することができない。つまり、時効の完成によって当該権利は当然に消滅するため、納付義務者がその時効による利益を放棄して納付する意思を示したときであっても、政府はその徴収権を行使することはできない。

ウ 〇 (法41条2項)本肢のとおりである。政府が、労働保険料その他徴収金の徴収の告知又は督促を行った場合は、民法153条の規定にかかわらず、時効は中断される。

エ 〇 (則72条)本肢のとおりである。

オ 〇 (法43条1項、コンメンタール)本肢のとおりである。



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step3 コメント

・択一域の雇用保険法問10にくる労働保険徴収法の問題は、時効、書類の保存等に関する個数問題でした。難易度が高い肢が含まれていますので、確実に正解することは容易ではなかったはずです。



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step4 練習問題(チャレンジしてみよう!)

次のA~Hに入るのは、「①1年、②2年、③3年、④4年」の中のどれでしょうか。

労災保険率(法12条2項)

労災保険率は、労災保険法の規定による保険給付及び社会復帰促進等事業に要する費用の予想額に照らし、将来にわたって、労災保険の事業に係る財政の均衡を保つことができるものでなければならないものとし、政令で定めるところにより、労災保険法の適用を受けるすべての事業の過去 A 間の業務災害及び通勤災害に係る災害率並びに二次健康診断等給付に要した費用の額、社会復帰促進等事業として行う事業の種類及びその内容その他の事情を考慮して厚生労働大臣が定める。



第1種特別加入保険料率(法13条、則21条の2)

第1種特別加入保険料率とは、その事業に係る労災保険率(メリット制の適用により引き上げ又は引き下げられたときは、その引き上げ又は引き下げられた率)と同一の率から労災保険法の適用を受けるすべての事業の過去 B 間の二次健康診断等給付に要した費用の額を考慮して厚生労働大臣の定める率(現在は「0」とされている)を減じた率をいう。



メリット制の要件(法12条3項、則17条)

連続する3保険年度中の各保険年度において、次の①~③いずれかに該当する事業であって、当該連続する3保険年度中の最後の保険年度に属する3月31日(基準日)において、労災保険に係る保険関係が成立した後 C 以上経過したもののうち、収支率が100分の85を超え、又は100分の75以下である事業であること。



非業務災害率(則16条2項)

「非業務災害率」とは、労災保険法の適用を受けるすべての事業の過去 D 間の通勤災害に係る災害率及び二次健康診断等給付に要した費用の額などを考慮して、厚生労働大臣が定める率(現在は「1,000分の0.6」)をいう。



書類の保存義務(則72条)

事業主若しくは事業主であった者又は労働保険事務組合若しくは労働保険事務組合であった団体は、徴収法又は徴収法施行規則による書類を、その完結の日から
 E 間(雇用保険被保険者関係届出事務等処理簿にあっては F 間)保存しなければならない。



時効(法41条1項)

労働保険料その他この法律の規定による徴収金を徴収し、又はその還付を受ける権利は、 G を経過したときは、時効によって消滅する。



保険関係の消滅の申請(整備法8条2項)

保険関係の消滅の申請は、次の(a)~(c)の要件に該当する場合でなければ行うことができない。

(a) その事業に使用される労働者の過半数の同意を得ること。
(b) 労災保険に係る保険関係が成立した後 H を経過していること
(c) 特例により保険給付が行われることとなった労働者に係る事業にあっては、特別保険料を徴収される期間を経過していること




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step5 練習問題の解答



A~E → ③ 3年
F → ④ 4年
G → ② 2年
H → ① 1年



新年もがんばっていきましょう。
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2017年01月03日

厚生労働省は、「平成27年度の監督指導による賃金不払残業の是正結果」を公表しました。
1年間の残業代不払いの合計額は、なんと約100億円に上るんですね。

この件は、次のように報道されています。
まずはこちらをご覧ください。

去年度の「サービス残業代」約100億円、1348社に指導 (TBSニュース)


この記事を読む限り、サービス残業が以前に比べて増えているという印象になります。
前年度に比べて不払いの「企業数」は増えたことは確かですが、この記事では、「不払い額」や「不払い対象労働者数」の増減には触れていませんので不十分です。

そういう意味では、こちらのニュースの方が正確に伝わる内容です。

残業代不払い100億円下回る  厚労省の15年度是正結果 (アドバンスニュース)


1348社というのは「100万円以上の不払いがあった企業」の数ですから、100万円未満の不払いがあった企業を含めたり、実際には割増賃金不払いでありながら労基署からの監督指導を免れた企業があることを考え合わせると、実態はもっと多額になります。

経営者側から見れば、「ちんたら仕事をしている(仕事の生産性が低い)から残業するハメになったわけで、そんな社員に残業代なんて払いたくない。第一、時給換算で労働価値を決めるのなら仕事ができない社員ほど高給取りになってしまうじゃないか。」という気持ちがあります。

そのため、残業を認めない風潮になり、こういった問題が露出してくるわけです。

しかし、サービス残業の問題は、目先の残業時間を減らすという対処だけでは解決しません。労使がよく話し合って、無駄な会議や報告書をやめることや、仕事の優先順位を付けて無駄な業務を省くことなど、労働生産性を向上させる取り組みと合わせて残業を減らすようにしていかないと根本的な問題は解決しないのです。

先日、こんな相談がありました。
「A社では、残業をした場合、次の日の朝までに書類を提出し上司の印をもらうことになっていますが、その手続きをある社員が怠ってしまっていたので残業代を払わないと上司から言われたそうですが、仕方のないことなんでしょうか?」というものでした。

残業代の支払いは、「手続き」の問題ではなく、「実態」で判断すべきものですから、支払われるべきものである旨、伝えました。実はこの相談は、社員本人からの相談ではなく、その社員の知り合いの第三者からの相談でしたので、社員と上司の双方から話を聞けば、もっと違う観点が出てきたかもしれませんが・・・

今後も、こういった労使に関する様々な問題に対しては、社労士が関与しお役に立てる場面があると思います。

将来のみなさんの社労士としての活躍を待ちわびている企業や社員がきっといるはずです。
こういう報道もひとつの糧として、今後の学習に励んでいってください。



2017年01月02日

正社員に限った有効求人倍率は0.9倍となり、雇用形態別の集計を始めた2004年以降、最も高くなりました。

正社員の有効求人倍率0.9倍、集計開始以来最高(TBSニュース) 他多数

社労士試験で問われる有効求人倍率の最新版となる「一般職業紹介状況
(平成28年分)について」は、おそらく1月末に発表されますので、また、その時にブログに掲載します。