2017年01月07日

平成28年賃金引上げ等の実態に関する調査:結果の概要」が2016年12月に発表されています。

その中で、ここでは、「賃金の改定事情」を取り上げておきます。


<賃金の改定事情>

平成28年中に賃金の改定を実施し又は予定していて額も決定している企業について、賃金の改定の決定に当たり最も重視した要素をみると、「企業の業績」が
51.4%(前年52.6%)と最も多く、「重視した要素はない」を除くと、「労働力の確保・定着」が11.0%(同6.8%)、次いで、「親会社又は関連(グループ)会社の改定の動向」が5.9%(同5.4%)となっている。
企業規模別にみると、すべての規模で「企業の業績」が最も多なっている。

賃金の改定の決定に当たり最も重視した要素

これをご覧いただくと、「企業の業績」が群を抜いて多く、50%を超えていることがわかります。

ただ、もうひとつ、今回の特徴としていえることが、2番目にくる「労働力の確保・定着」が、11.0%と昨年の6.8%を大きく上回り、2ケタになっていることです。
雇用情勢が「売り手市場」となっている昨今、企業は賃上げをしないと、「労働力の確保・定着」がままならない実態を表しているといえます。特に、企業規模が小さい企業ほど、要素に挙げた企業が多いのが現状です。

過去問をみておきましょう。
10年以上前に出題されています。

・賃上げ実態調査によって、賃金の改定の決定に当たり最も重視した要素を見ると、「世間相場」とする企業割合が最も高く、次いで「企業業績」、「労働力の確保・定着」、「労使関係の安定」の順となっている。(H14-1C)
⇒ ☓

・労働省の「賃金引上げ等の実態に関する調査」によると、平成10年において、賃金の引上げに当たり最も重視した要素をみると、世間相場が最も多く、次いで企業業績となっている。(H11-3D)
⇒ ☓


<練習問題>

次の文章は正しいか、誤りか。

問1 平成28年中に賃金の改定を実施し又は予定していて額も決定している企業について、賃金の改定の決定に当たり最も重視した要素をみると、「企業の業績」が最も多く、企業規模別にみてもすべての規模で「企業の業績」が最も多くなっているが、5割には達していない。


問2 賃上げ実態調査によって、賃金の改定の決定に当たり最も重視した要素を見ると、「企業業績」とする企業割合が最も高く、次いで「世間相場」、「労使関係の安定」、「労働力の確保・定着」の順となっている。


問3 賃上げ実態調査によって、賃金の改定の決定に当たり最も重視した要素を見ると、「企業業績」とする企業割合が最も高く、次いで「労働力の確保・定着」の順になるが、「企業業績」とする企業の割合は企業規模が大きいほど高く、逆に、「労働力の確保・定着」とする企業の割合は企業規模が小さいほど高い。



<解答>



問1 ☓ 52.6%と50%以上である。過去の推移をみても、過去10年で50%を下回ったことはない。

問2 ☓ 「企業業績」、「労働力の確保・定着」、「親会社又は関連(グループ)会社の改定の動向」の順となっている。

問3 〇 企業規模が、①5,000人以上、②1,000人~4,999人、③300人~999人、④100人~299人の順に割合をみてみると、「企業の業績」は、①54.7%、②52.1%、③51.8%、④51.1%と、企業規模が大きいほど高くなっている。
逆に、「労働力の確保・定着」とする企業の割合は、①5.6%、②6.9%、③9.4%、④12.0%と、企業規模が小さいほど高くなっている。
「企業の業績」のように、企業規模が大きいほど高くなっている要素は、他に「労使関係の安定」があり、「労働力の確保・定着」のように企業規模が小さいほど高くなっている要素は、他に「雇用の維持」、「前年度の改定実績」がある。
なお、「親会社又は関連(グループ)会社の改定の動向」や「世間相場」には、企業規模における相関はみられない。


賃金を上げることは、アベノミクスの大きなテーマとなっていますので、「賃金の改定事情」は、出題しやすい、狙われやすい箇所ともいえます。
頭の片隅に入れておきましょう。



2017年01月06日

「ランチタイム・スタディ」の第62問です。

「ランチタイム・スタディ」の主旨については、9月29日の佐藤塾ブログの
「ランチタイム・スタディ」開始のお知らせをご覧ください。

「ランチタイム・スタディ」の活用法については、10月22日の佐藤塾ブログの「ランチタイム・スタディの活用法」をご覧ください。


さて、62問目は、択一式の徴収法です。

正答率50%&合否を分けた問題です。

※正答率50%ですから、ちょうど2人に1人が解けた問題となります。
※「合否を分けた問題」とは、「合格者だけの正答率」と「全体の正答率(ただし、全体正答率65%以下)」とで、20%以上差が開いた問題で、「2016年本試験 合否を分けた12問」(ガイダンス)で取り上げた問題です。



<問題(択一式 徴収 災問9)>

〔問〕 平成28年度の概算保険料に係る認定決定に不服のある事業主が行うことができる措置に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。

ア 事業主は、当該認定決定について、その処分庁である都道府県労働局歳入徴収官に対し、異議申立てを行うことができる。

イ 事業主は、当該認定決定について、その処分に係る都道府県労働局に置かれる労働者災害補償保険審査官に対し、審査請求を行うことができる。

ウ 事業主は、当該認定決定について、厚生労働大臣に対し、再審査請求を行うことができる。

エ 事業主は、当該認定決定について、直ちにその取消しの訴えを提起することができる。

オ 事業主は、当該認定決定について、取消しの訴えを提起する場合を除いて、代理人によらず自ら不服の申立てを行わなければならない。

A 一つ
B 二つ
C 三つ
D 四つ
E 五つ





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step1 正解は・・・



A


   

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step2 解説


ア ☓ (行審法2条)徴収法に関する処分に不服がある場合は、行政不服審査法に基づき、厚生労働大臣に対し審査請求をすることができる。改正により、平成28年4月から、概算保険料の認定決定に係る異議申立ての規定は、削除された。

イ ☓ (行審法2条、同法4条)事業主は、概算保険料の認定決定について、その処分に不服があるときは、行政不服審査法に基づき、「厚生労働大臣」に対し審査請求を行うことができるが、労働者災害補償保険審査官に対し審査請求を行うことはできない。

ウ ☓ (行審法2条)事業主は、概算保険料の認定決定について、その処分に不服があるときは、行政不服審査法に基づき、厚生労働大臣に対し「審査請求」を行うことができる。

エ 〇  本肢のとおりである。改正により、平成28年4月から、不服申立て前置の規定が削除され、厚生労働大臣に対し審査請求をするか、処分の取消しの訴えを提起するかを選択することができることとなった。

オ ☓ (行審法12条1項)行政不服審査法に基づく審査請求は、代理人によって行うことができる。なお、代理人は、各自、審査請求人のために、当該審査請求に関する一切の行為をすることができるが、審査請求の取下げは、特別の委任を受けた場合に限り、することができる(同法12条2項)。




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step3 コメント

・労災保険法問9にくる労働保険徴収法の問題は、概算保険料に係る認定決定に不服のある事業主が行うことができる措置に関する個数問題で、法改正からの出題でした。オが難易度が高く、あっさり解答できた人は少なかったと思われます。



今日は練習問題はありません。

来週もがんばっていきましょう。
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2017年01月05日

「ランチタイム・スタディ」の第61問です。

「ランチタイム・スタディ」の主旨については、9月29日の佐藤塾ブログの
「ランチタイム・スタディ」開始のお知らせをご覧ください。

「ランチタイム・スタディ」の活用法については、10月22日の佐藤塾ブログの「ランチタイム・スタディの活用法」をご覧ください。


さて、61問目は、選択式の雇用保険法です。

正答率52%の問題です。
※正答率52%~58%辺りの5割ちょっと超えの問題はかなり多いです。この辺りの問題が正解できるかどうかが正念場とも言えそうです。



<問題(選択式 雇用D)>


雇用保険法第58条第2項は、「移転費の額は、 D の移転に通常要する費用を考慮して、厚生労働省令で定める。」と規定している。



step1 できれば、選択肢を見ない状態で、答を紙に書いてみてください。
(選択肢を見てできればOKです。選択肢なしで書ければすごい!)
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step2 次の選択肢の中から答を選んでください。


⑦ 受給資格者
⑧ 受給資格者等
⑨ 受給資格者等及びその者により生計を維持されている同居の親族
⑩ 受給資格者等及び同居の親族



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step3 正解は・・・



D → ⑨ 受給資格者等及びその者により生計を維持されている同居の親族(法58条第2項)



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step4 コメント

・選択式の雇用保険法のDは移転費からの出題であり、やや細かい論点でした。⑨と⑩で迷われた方が多いように思われます。




今日は練習問題はありません。

明日もがんばりましょう。

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