2016年10月13日

「ランチタイム・スタディ」の第8問です。

「ランチタイム・スタディ」の主旨については、9月29日の佐藤塾ブログの
「ランチタイム・スタディ」開始のお知らせをご覧ください。

さて、8問目は、択一式の労基法です。

正答率86%の問題です。




<問題(択一式労基問5)>


〔問〕労働基準法に定める就業規則等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

A 労働基準法第89条所定の事項を個々の労働契約書に網羅して記載すれば使用者は別途に就業規則を作成していなくても、本条に規定する就業規則の作成義務を果たしたものとなる。

B 労働基準法第41条第3号に定める「監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁の許可を受けたもの」については、労働基準法の労働時間、休憩及び休日に関する規定が適用されないから、就業規則に始業及び終業の時刻を定める必要はない。

C 退職手当制度を設ける場合には、適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法、退職手当の支払の時期に関する事項について就業規則に規定しておかなければならないが、退職手当について不支給事由又は減額事由を設ける場合に、これらを就業規則に記載しておく必要はない。

D 服務規律違反に対する制裁として一定期間出勤を停止する場合、当該出勤停止期間中の賃金を支給しないことは、減給制限に関する労働基準法第91条違反となる。

E 行政官庁が、法令又は労働協約に抵触する就業規則の変更を命じても、それだけで就業規則が変更されたこととはならず、使用者によって所要の変更手続がとられてはじめて就業規則が変更されたこととなる。



-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step1 正解は・・・






   

-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step2 解説


A ☓ (法89条1項)法89条は、「常時10人以上の労働者を使用する使用者は、所定事項について就業規則を作成し、行政官庁に届けなければならない」と規定しており、法89条所定の事項を個々の労働契約書に網羅して記載していても、使用者は、法89条に規定する就業規則の「作成」の義務を免れるものではない。

B ☓ (法89条1項、昭23.12.25基収4281号)法41条(労働時間、休憩及び休日に関する規定の適用除外)の規定に該当する者であっても、法89条は適用されるため、就業規則には、これらに該当する者の「始業及び終業の時刻を記載する必要がある」。

C ☓ (法89条1項、平11.3.31基発168号)退職手当に関しては、定めをする場合に記載しなければならない相対的必要記載事項とされており、また、退職手当について不支給事由又は減額事由を設ける場合には、これは退職手当の決定及び計算の方法に関する事項に該当するため、就業規則に記載する必要がある。

D ☓ (法91条、昭23.7.3基収2177号)出勤停止期間中の賃金を受けられないことは、制裁としての出勤停止の当然の結果であり、法91条違反とはならない。

E 〇 (法92条2項)本肢のとおりである。法92条2項による変更命令は、就業規則を変更すべき義務を使用者に課するにとどまるものであるから、変更命令が出されても、それだけで就業規則が変更されたこととなるものでなく、使用者によって所要の変更手続がとられてはじめて変更されたことになる。




-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step3 コメント

・法89条の「就業規則の作成」を中心とした問題です。就業規則の必要記載事項に関しては、絶対的必要記載事項と相対的必要記載事項の区分けを明確にしておく必要があります。



-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step4 プラスα(一読しておこう)


法89条(就業規則の作成)

常時10人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。次に掲げる事項を変更した場合においても、同様とする。

1.始業及び終業の時刻、休憩時間休日休暇並びに労働者を2組以上に分けて交替に就業させる場合においては就業時転換に関する事項

2.賃金(臨時の賃金等を除く。以下この号において同じ)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項

3.退職に関する事項(解雇の事由を含む)

3の2.退職手当の定めをする場合においては、適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項

4.臨時の賃金等(退職手当を除く)及び最低賃金額の定めをする場合においては、これに関する事項

5.労働者に食費、作業用品その他の負担をさせる定めをする場合においては、これに関する事項

6.安全及び衛生に関する定めをする場合においては、これに関する事項

7.職業訓練に関する定めをする場合においては、これに関する事項

8.災害補償及び業務外の傷病扶助に関する定めをする場合においては、これに関する事項

9.表彰及び制裁の定めをする場合においては、その種類及び程度に関する事項

10.前各号に掲げるもののほか、当該事業場の労働者のすべてに適用される定めをする場合においては、これに関する事項



法91条(制裁規定の制限)

就業規則で、労働者に対して減給制裁を定める場合においては、その減給は、1回の額が平均賃金の1日分半額を超え、総額が1賃金支払期における賃金の総額10分の1を超えてはならない。



-------------------------------------------------------------------------------------------------------

step5 練習問題(チャレンジしてみよう!)

法89条(就業規則の作成)

 A 以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。次に掲げる事項を B した場合においても、同様とする。

1. C の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を2組以上に分けて交替に就業させる場合においては就業時転換に関する事項

2.賃金(臨時の賃金等を除く。以下この号において同じ)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに D に関する事項

3. E に関する事項(解雇の事由を含む)

3の2. F の定めをする場合においては、適用される労働者の範囲、 F の決定、計算及び支払の方法並びに F の支払の時期に関する事項

4.臨時の賃金等(退職手当を除く)及び最低賃金額の定めをする場合においては、これに関する事項

5.労働者に食費、作業用品その他の負担をさせる定めをする場合においては、これに関する事項

6.安全及び G に関する定めをする場合においては、これに関する事項

7.職業訓練に関する定めをする場合においては、これに関する事項

8.災害補償及び業務外の傷病扶助に関する定めをする場合においては、これに関する事項

9. H 及び制裁の定めをする場合においては、その種類及び程度に関する事項

10.前各号に掲げるもののほか、当該事業場の労働者のすべてに適用される定めをする場合においては、これに関する事項



法91条(制裁規定の制限)

就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、1回の額が平均賃金の1日分の I を超え、総額が1賃金支払期における賃金の総額の J を超えてはならない。




step6 選択肢はありません。答を紙に書いてみてください。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step7 正解は・・・



A:常時10人
B:変更
C:始業及び終業
D:昇給
E:退職


F:退職手当

G:衛生
H:表彰
I:半額
J:10分の1



明日もがんばりましょう。

☞ 次の【ランチタイム・スタディ 9 】をご覧になりたい方はこちら



平成27年版働く女性の実情 2:過去問 を掲載します。

「平成27年版働く女性の実情」 1~3は、次のような構成としています。
・1:内容 → 「平成27年版働く女性の実情」の内容を抜粋
・2:過去問→ 女性の社会参加に絡む過去問の確認
・3:練習問題 → 「平成27年版働く女性の実情」の内容と女性の社会参加に絡む過去問を踏まえた練習問題

[1:内容] をご覧になっていない方は、[1:内容] をお読みいただいてから、こちらをご覧ください。
☞ [1:内容]を先にお読みになる方はこちら



女性の社会参加に絡む問題は、過去に数多く出ています。
ただし、ここに掲載した問題は、出題された当時の数字であり、正誤や選択肢も出題された当時ののものとなりますのでご注意ください。


<女性の社会参加に絡む過去問>

[問1] 「平成24年版男女共同参画白書(内閣府)」によると、女性の年齢階級別労働力率は、その形状から、M字カーブと呼ばれているが、有配偶者の労働力率が上昇してきたことが寄与して、M字のカーブが以前に比べ浅くなっている。(H25-3B)
⇒ 〇


[問2] 働く女性の実情によれば、配偶関係別に平成20年の女性の労働力率をみると、未婚者では63.4%有配偶者では48.8%となっており、未婚者の労働力率を年齢階級別にみると、25~29歳が最も高くなっている(91.5%)、としている。(H21-4C)
⇒ 〇



[問3] 1.我が国の女性の労働力率を縦軸にし、年齢階級を横軸にして描画すると、あるローマ字の型に似ており、我が国の女性の労働力率は A 字型カーブを描くといわれている。平成16年の我が国の女性の労働力率を、年齢階級別に描いてみると、25~29歳層と B 歳層が左右のピークとなり、30から34歳層がボトムとなっている。

2.日本の女性の労働力率が特徴的なのは、アメリカ、フランス、イタリア、ドイツ、スウェーデンの女性の年齢階級別の労働力率が描くカーブが、日本の男性のそれと同じように概ね C 型の形状となっているからである。また、 A 字型カーブのボトムの位置を、長期的に時系列比較をしてみると、 D に移動している。

3.このボトムが、このような方向に移動しているのは、晩婚化や高学歴化の進展の影響と女性のライフサイクルにおいて、結婚、出産、育児を退職の理由にしない女性が増えていることが影響している。これには、昭和60年に、勤労婦人福祉法が雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等女子労働者の福祉の増進に関する法律に改正され、次いで平成3年に E が制定されるなど、次第に女性が働き続けることが可能となる環境が整いはじめた効果も見逃すことができない。(H17)

⇒ A:M  B: 45~49  C:台形  D:上向き  E:育児休業等に関する法律


[問4] 我が国の女性労働力率を年齢階級別にみると、出産・育児期に低下し、育児終了後に高まるという傾向がみられ、M字型カーブを描くといわれる。M字型カーブが示すピークとピークの間の年齢階層で最も労働力率が低くなるのは1990年代では25~29歳階級である。(H12-3B)
⇒ ☓


[問5] 女性の就業意欲の高まり、サービス産業化等を背景に女性の職場進出が進んでおり、女性の労働力率は昭和50年の45.7%から平成9年は50.4%に上昇しているが、年齢階級別にみると、出産・育児期に当たる30~34歳層では、この間、労働力率は横ばいとなっている。(H11-5B)
⇒ ☓


[問6] 働く女性の実情では、平成20年の女性の労働力率を年齢階級別にみると、25~29歳(76.1%)と45~49歳(75.5%)を左右のピークとするM字型カーブを描いているが、M字型の底は昭和54年に25~29歳から30~34歳に移動して以来30~34歳となっていたが、比較可能な昭和43年以降初めて35~39歳となった、とし、また、M字型の底の値は前年に比べ上昇した、としている。(H21-4B)
⇒ 〇


[問7] 我が国の就業・不就業の実態を調べた「就業構造基本調査(総務省)」をみると、平成24年の男性の年齢別有業率は、すべての年齢階級で低下した。同年の女性については、M字カーブの底が平成19年に比べて A 。(H27)

⇒ A 30~34歳から35~39歳に移行した



いかがでしたか?
次回は、今回の「平成27年版働く女性の実情」を踏まえた練習問題にトライしてみましょう。

☞ 続いて、「平成27年版働く女性の実情 3:練習問題」 をご覧になりたい方はこちら



2016年10月12日

東大首席の美人弁護士 「1日19時間半」ガリ勉させた“コンプレックス”とは?(NIKKEI STYLE 10月10日(月)7時47分配信)という記事を目にしました。

1日19時間半の勉強時間なんて、信じられないですね。

記事の中のフレーズをご紹介しますと・・・

<1>
「私は別に天才じゃないので、試験前にはいつも必死で勉強します。司法試験を受ける直前も1日に19時間30分勉強しました」。(・・・1文略・・・)当時、睡眠はわずか3時間、3回の食事は20分ずつ、入浴に20分、唯一の楽しみは札幌市に暮らす母親との電話でのおしゃべりの10分間のみ。後はすべて法律の勉強に費やした。結果、東大3年生の時に司法試験に合格した。

<2>
「学問は裏切らない、努力した分は伸びる」と悟った。

<3>
山口さんは「コンプレックスを持つことも悪いことじゃない。ネガティブパワーが一番強いから」という。

<4>
「勉強をスタートすると、最初はやる分伸びるが、その後フラットになる。そこであきらめずにがんばるとまた伸びる。問題は試験直前に必ずスランプになること。例えば、東大受験の時も模試でA判定をとれていたのが、C判定に落ちた」という。当然落ち込んだり、焦ったりする。ここであきらめれば、失敗する。
  しかし、山口さんは「スランプになるというのは、むしろ完成形に近づいている証拠」というプラス思考法を身につけたという。



すばらしいですね!!!

特に、「学問は裏切らない、努力した分は伸びる」を信じて頑張りましょう。

みなさんのコンプレックスは、何ですか?
そして、ネガティブパワーをうまく利用できたらいいですね。