2016年11月11日
「ランチタイム・スタディ」の第28問です。
「ランチタイム・スタディ」の主旨については、9月29日の佐藤塾ブログの「ランチタイム・スタディ」開始のお知らせをご覧ください。
「ランチタイム・スタディ」の活用法については、10月22日の佐藤塾ブログの「ランチタイム・スタディの活用法」をご覧ください。
さて、28問目は、択一式の国民年金です。
正答率69%の問題です。
<問題(択一式国年問10)>
〔問〕 昭和26年4月8日生まれの男性の年金加入履歴が以下の通りである。この男性が65歳で老齢基礎年金を請求した場合に受給することができる年金額及びその計算式の組合せとして正しいものはどれか。なお、本問において振替加算を考慮する必要はない。また年金額は、平成28年度価額で計算すること。
第1号被保険者期間 180月(全て保険料納付済期間)
第3号被保険者期間 240月
付加保険料納付済期間 36月
計算式 年金額
A 780,100円×420月/480月+8,500円 691,100円
B 780,100円×420月/480月+8,500円 691,088円
C 780,100円×420月/480月+200円×36月 689,800円
D 780,100円×420月/480月+200円×36月 689,788円
E 780,100円×420月/480月+400円×36月 697,000円
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step1 正解は・・・
D
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step2 解説
(法27条、法44条、法17条1項)
①老齢基礎年金の額の計算式について
平成28年度の老齢基礎年金の満額は780,100円であり、保険料納付済期間の月数は420月であることから、「780,100円×420月/480月」となる。
②付加年金の額の計算式について
「200円×付加保険料納付済期間の月数」で計算されるため、「200円×36月」となる。
③端数処理について
年金たる給付を受ける権利を裁定する場合において、年金給付の額に50銭未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、50銭以上1円未満の端数が生じたときは、これを1円に切り上げるため、①の額は、「682,588円」となる。
④受給することができる年金額
「682,588円+7,200円=689,788円」となる。
したがって、正しいものはDとなる。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step3 コメント
・国民年金法問10は、老齢基礎年金の額を計算する際の端数処理と、付加年金の額の計算が論点となる事例問題でした。付加年金の額の計算式は、「200円×36月」となることと、年金額の端数は、改正により1円単位となったことから、Dを選ぶことはそれほど困難ではなかったと思われます。
今回は練習問題はありません。
来週もがんばりましょう。
☞ 次の【ランチタイム・スタディ 29 】をご覧になりたい方はこちら
2016年11月10日
「ランチタイム・スタディ」の第27問です。
「ランチタイム・スタディ」の主旨については、9月29日の佐藤塾ブログの「ランチタイム・スタディ」開始のお知らせをご覧ください。
「ランチタイム・スタディ」の活用法については、10月22日の佐藤塾ブログの「ランチタイム・スタディの活用法」をご覧ください。
さて、27問目は、択一式の社会保険一般常識です。
正答率69%の問題です。
<問題(択一式社一問9)>
〔問〕 各種統計調査等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
A 厚生労働省から平成27年12月に公表された「平成26年国民年金被保険者実態調査結果の概要」によると、平成24年度及び平成25年度の納付対象月の国民年金保険料を全く納付していない者(平成25年度末に申請全額免除、学生納付特例又は若年者納付猶予を受けていた者を除く。)が納付しない理由は、「保険料が高く、経済的に支払うのが困難」が約7割と最も高くなっている。
B 厚生労働省から平成27年12月に公表された「平成26年年金制度基礎調査(障害年金受給者実態調査)」によると、障害年金受給者(本問において、当該調査における障害厚生年金又は障害基礎年金等を受給している者をいう。)のうち、生活保護を受給している者の割合は、日本の全人口に対する生活保護受給人口の割合(1.7%)より高くなっている。
C 厚生労働省から平成27年10月に公表された「平成25年度国民医療費の概況」(以下本問において「平成25年度国民医療費の概況」という。)によると、医療機関等における保険診療の対象となり得る傷病の治療に要した費用の推計である平成25年度の国民医療費は全体で40兆円を超え、人口一人当たりでは30万円を超えている。
D 「平成25年度国民医療費の概況」によると、「公費負担医療給付分」、「医療保険等給付分」、「後期高齢者医療給付分」、「患者等負担分」等に区分される平成25年度の制度区分別国民医療費において、「後期高齢者医療給付分」は全体の30%を超えている。
E 厚生労働省が公表した平成26年度の国民年金保険料の納付状況によると、平成26年度中に納付された現年度分保険料にかかる納付率は73.1%となり、前年度の70.9%から2.2ポイントの上昇となった。また、国民年金保険料の納付率(現年度分)の推移をみてみると、基礎年金制度が導入された時から約10年は、納付率は80%台であったが、平成14年度以降、現在に至るまで70%台になっている。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step1 正解は・・・
E
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step2 解説
A 〇 (平成26年国民年金被保険者実態調査結果の概要)本肢のとおりである。1号期間滞納者について、年齢階級別に国民年金保険料を納付しない理由をみると、すべての年齢階級において「保険料が高く、経済的に支払うのが困難」が最も高くなっていて、全体で71.9%を占める。なお、次いで高いのは、20~40歳代ではおおむね「年金制度の将来が不安・信用できない」の割合、50歳代では「これから保険料を納めても加入期間が短く、年金がもらえない」の割合となっている。
B 〇 (平成26年年金制度基礎調査(障害年金受給者実態調査))本肢のとおりである。障害年金受給者のうち、生活保護を受給している割合をみると、厚生年金計で5.1%、国民年金計で6.8%となっており、保護率(日本における生活保護受給人口の全人口に対する割合)1.70%より高くなっている。
C 〇 (平成25年度国民医療費の概況)本肢のとおりである。平成25年度の国民医療費は40兆610億円、前年度の39兆2,117億円に比べ8,493億円、2.2%の増加となっている。人口一人当たりの国民医療費は31万4,700円、前年度の30万7,500円に比べ2.3%増加している。
D 〇 (平成25年度国民医療費の概況)本肢のとおりである。国民医療費を制度区分別にみると、公費負担医療給付分は2兆9,792億円(構成割合7.4%)、医療保険等給付分は18兆8,109億円(同47.0%)、後期高齢者医療給付分は13兆821億円(同32.7%)、患者等負担分は4兆9,918億円(同12.5%)となっており、後期高齢者医療給付分は全体の30%を超えている。
E ☓ (平成26年度の国民年金保険料の納付状況)平成26年度中に納付された現年度分保険料にかかる納付率は「63.1%」となり、前年度の「60.9%」から2.2ポイントの上昇となった。また、国民年金保険料の納付率(現年度分)の推移をみてみると、基礎年金制度が導入された時から約10年は、納付率は80%台であったが、平成14年度以降、現在に至るまで「60%台」になっている。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step3 コメント
・択一式一般常識問9は、社会保険に関する各種統計数値からの出題でした。正解肢であるEは、
納付率が誤っていることの予測が付く内容でしたから助かった人も多かったのではないでしょうか。
もし、Eが正しい文章であった場合、他の肢であるA~Dの問題いずれかを誤った記述とすることになりますから、A~D自体の正誤判断を問われるとかなり苦戦することになったかもしれません。
・C及びDに関しては、最新(平成26年度)の「国民医療費の概況 【白書・統計数値情報】」をブログに掲載していますのでご確認ください。
・Bについては、関連する項目として、「生活保護世帯が過去最多を更新 【白書・統計数値情報】」をブログに掲載していますのでご確認ください。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step4 練習問題(チャレンジしてみよう!)
・厚生労働省から平成27年12月に公表された「平成26年国民年金被保険者実態調査結果の概要」によると、平成24年度及び平成25年度の納付対象月の国民年金保険料を全く納付していない者(平成25年度末に申請全額免除、学生納付特例又は若年者納付猶予を受けていた者を除く。)が納付しない理由は、「保険料が高く、経済的に支払うのが困難」が約 A 割と最も高くなっている。
・厚生労働省から平成27年12月に公表された「平成26年年金制度基礎調査(障害年金受給者実態調査)」によると、障害年金受給者(本問において、当該調査における障害厚生年金又は障害基礎年金等を受給している者をいう。)のうち、生活保護を受給している者の割合は、日本の全人口に対する生活保護受給人口の割合( B %)より高くなっている。
・厚生労働省から平成27年10月に公表された「平成25年度国民医療費の概況」(以下本問において「平成25年度国民医療費の概況」という。)によると、医療機関等における保険診療の対象となり得る傷病の治療に要した費用の推計である平成25年度の国民医療費は全体で C 兆円を超え、人口一人当たりでは D 万円を超えている。
・「平成25年度国民医療費の概況」によると、「公費負担医療給付分」、「医療保険等給付分」、「後期高齢者医療給付分」、「患者等負担分」等に区分される平成25年度の制度区分別国民医療費において、「後期高齢者医療給付分」は全体の
D %を超えている。
・厚生労働省が公表した平成26年度の国民年金保険料の納付状況によると、平成26年度中に納付された現年度分保険料にかかる納付率は63.1%となり、前年度の60.9%から2.2ポイントの上昇となった。また、国民年金保険料の納付率(現年度分)の推移をみてみると、基礎年金制度が導入された時から約10年は、納付率は E %台であったが、平成14年度以降、現在に至るまで60%台になっている。
step5 選択肢を見ない状態で、答を紙に書いてみてください。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step6 次の選択肢の中から答を選んでください。
Aの選択肢
① 3 ② 5 ③ 7 ④ 9
Bの選択肢
⑤ 0.7 ⑥ 1.7 ⑦ 2.7 ⑧ 3.7
C、D及びEの選択肢
⑨ 10 ⑩ 20 ⑪ 30 ⑫ 40 ⑬ 50
⑭ 60 ⑮ 70 ⑯ 80 ⑰ 90 ⑱ 100
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step7 練習問題の解答
A → ③ 7 (平成26年国民年金被保険者実態調査結果の概要)
B → ⑥ 1.7 (平成26年年金制度基礎調査(障害年金受給者実態調査))
C → ⑫ 40 (平成25年度国民医療費の概況)
D → ⑪ 30 (平成25年度国民医療費の概況)
E → ⑯ 80 (平成26年度の国民年金保険料の納付状況)
明日もがんばりましょう。
☞ 次の【ランチタイム・スタディ 28 】をご覧になりたい方はこちら
2016年11月09日
「ランチタイム・スタディ」の第26問です。
「ランチタイム・スタディ」の主旨については、9月29日の佐藤塾ブログの「ランチタイム・スタディ」開始のお知らせをご覧ください。
「ランチタイム・スタディ」の活用法については、10月22日の佐藤塾ブログの「ランチタイム・スタディの活用法」をご覧ください。
さて、26問目は、択一式の厚生年金保険法です。
正答率69%の問題です。
<問題(択一式厚年問9)>
〔問〕 厚生年金保険法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
A 第1号厚生年金被保険者期間が15年、第3号厚生年金被保険者期間が18年ある老齢厚生年金の受給権者が死亡したことにより支給される遺族厚生年金は、それぞれの被保険者期間に応じてそれぞれの実施機関から支給される。
B 障害等級3級の障害厚生年金の受給権者が65歳になり、老齢基礎年金の受給権を取得したとしても、それらは併給されないため、いずれか一方のみを受給することができるが、遺族厚生年金の受給権者が65歳になり、老齢基礎年金の受給権を取得したときは、それらの両方を受給することができる。
C 厚生年金保険法第78条の6第1項及び第2項の規定によるいわゆる合意分割により改定され、又は決定された標準報酬は、その改定又は決定に係る標準報酬改定請求のあった日から将来に向かってのみその効力を有する。
D 障害厚生年金は、その受給権者が当該障害厚生年金に係る傷病と同一の傷病について労働者災害補償保険法の規定による障害補償給付を受ける権利を取得したときは、6年間その支給を停止する。
E 適用事業所に平成28年3月1日に採用され、第1号厚生年金被保険者の資格を取得した者が同年3月20日付けで退職し、その翌日に被保険者資格を喪失し国民年金の第1号被保険者となった。その後、この者は同年4月1日に再度第1号厚生年金被保険者となった。この場合、同年3月分については、厚生年金保険における被保険者期間に算入されない。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step1 正解は・・・
D
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step2 解説
A 〇 (法78条の32)本肢のとおりである。長期要件に該当する遺族厚生年金については、それぞれの種別の被保険者期間ごとに実施機関が年金額を裁定し支給する。なお、短期要件の場合は、死亡日における種別に係る実施機関が、他の実施機関の期間分も含めて年金額を裁定し支給する。
B 〇 (法38条、法附則17条)本肢のとおりである。65歳以上であっても、老齢基礎年金と障害厚生年金は併給されないが、老齢基礎年金と遺族厚生年金は併給される。
C 〇 (法78条の6第4項)本肢のとおりである。なお、実施機関は、離婚等をした場合における標準報酬の改定又は決定を行ったときは、その旨を当事者に通知しなければならないとされている(法78条の8)。
D ☓ (法54条1項)「労働者災害補償保険法の規定による障害補償給付」ではなく、「労働基準法の規定による障害補償」を受ける権利を有したときは、6年間その支給が停止される。
E 〇 (法19条2項)被保険者の資格を取得した月にその資格を喪失したとき(いわゆる同月得喪)は、その月は1箇月として被保険者期間に算入するが、本肢のように、その月にさらに国民年金の第2号被保険者以外の被保険者の資格を取得したときは、その月は、厚生年金保険の被保険者期間に算入されない。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
step3 コメント
・A及びEが改正絡みの事例問題であり、法改正が理解できているかどうかが問われた問題と言えます。本問を間違えてしまった方は、Dでは「6年間」という数字に目が行ってしまい、正しいと判断してしまったのではないでしょうか。
今日は練習問題はありません。
明日もがんばりましょう。
☞ 次の【ランチタイム・スタディ 27 】をご覧になりたい方はこちら