2017年03月24日
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さて、22問目は、択一式の国民年金法です。
正答率71%の問題です。
<問題( 択一式 国年 問2 )>
〔問〕 国民年金の給付に関する次のアからオの記述のうち、誤っているものの組合せは後記AからEまでのうちどれか。
ア 死亡一時金の支給要件を満たして死亡した者とその前妻との間の子が遺族基礎年金の受給権を取得したが、当該子は前妻(子の母)と生計を同じくするため、その支給が停止されたとき、死亡した者と生計を同じくしていた子のない後妻は死亡一時金を受けることができる。
イ 20歳前傷病による障害基礎年金は、前年の所得がその者の扶養親族等の有無及び数に応じて、政令で定める額を超えるときは、その年の8月から翌年の7月まで、その全部又は2分の1に相当する部分の支給が停止されるが、受給権者に扶養親族がいる場合、この所得は受給権者及び当該扶養親族の所得を合算して算出する。
ウ 付加保険料に係る保険料納付済期間を300か月有する者が、65歳で老齢基礎年金の受給権を取得したときには、年額60,000円の付加年金が支給される。
エ 65歳以上の特例による任意加入被保険者が死亡した場合であっても、死亡一時金の支給要件を満たしていれば、一定の遺族に死亡一時金が支給される。
オ 60歳未満の妻が受給権を有する寡婦年金は、妻が60歳に達した日の属する月の翌月から支給されるが、そのときに妻が障害基礎年金の受給権を有している場合には、寡婦年金の受給権は消滅する。
A(アとウ) B(アとエ) C(イとエ)
D(イとオ) E(ウとオ)
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step1 正解は・・・
D
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step2 解説
ア 〇 (法52条の3第1項ただし書き) 本肢のとおりである。死亡した者の子が、その者の死亡により遺族基礎年金の受給権を取得した場合(その者の死亡によりその者の配偶者が遺族基礎年金の受給権を取得した場合を除く)であって、生計を同じくするその子の母があることにより、当該遺族基礎年金の支給が停止されるものであるときは、死亡した者の配偶者(後妻)に対して、死亡一時金が支給されることになる。
イ ☓ (法36条の3第1項) 20歳前傷病による障害基礎年金に係る所得による支給停止については、扶養親族の所得は算定の基礎とはされず、「受給権者のみ」の所得により判断される。
ウ 〇 (法44条) 本肢のとおりである。付加年金の額は、200円に付加保険料に係る保険料納付済期間の月数を乗じて得た額であるため、年額60,000円(200円×300月)となる。
エ 〇 (法52条の2第1項、平6法附則11条10項、平16法附則23条10項) 本肢のとおりである。特例任意加入被保険者は、死亡一時金の規定の適用については、第1号被保険者とみなされるため、所定の要件を満たしている場合には、死亡一時金が支給される。
オ ☓ (法49条3項、法51条) 前段部分は正しいが、寡婦年金の受給権は、妻が障害基礎年金の受給権を有していても消滅しない。なお、本肢の場合は、寡婦年金と障害基礎年金のどちらか一方を選択受給することとなる。
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step3 コメント
・択一式の国民年金法の問2は、給付に関する組合せ問題でした。どの肢も比較的基本問題であり、正解するのは容易だったと思われます。
今日は練習問題はありません。
来週もがんばりましょう。
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2017年03月23日
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さて、21問目は、択一式の厚生年金保険法です。
正答率73%の問題です。
<問題( 択一式 厚年 問6 )>
〔問〕 厚生年金保険法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
A 被保険者が同時にいずれも適用事業所である船舶甲及び事業所乙に使用される場合、当該被保険者を使用する甲及び乙が負担すべき標準賞与額に係る保険料の額は、甲及び乙がその月に支払った賞与額をその月に当該被保険者が受けた賞与額で除して得た数を当該被保険者の保険料の半額に乗じて得た額とし、甲及び乙がそれぞれ納付する義務を負う。
B 被保険者の使用される船舶について船舶所有者の変更があった場合には、厚生年金保険法第85条の規定に基づいて保険料を納期前にすべて徴収することができる。
C 保険料に係る延滞金は、保険料額が1,000円未満であるときは徴収しないこととされている。
D 未支給の保険給付を受けるべき者の順位は、死亡した者と生計を同じくしていたもののうち、死亡した者の配偶者、子(死亡した者が遺族厚生年金の受給権者である夫であった場合における被保険者又は被保険者であった者の子であってその者の死亡によって遺族厚生年金の支給の停止が解除されたものを含む。)、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹及びこれらの者以外の三親等内の親族の順序とする。
E 老齢厚生年金の額に加算される加給年金額の対象となっている障害の状態にある19歳の子が、実施機関が必要と認めた受診命令に従わなかったときは、厚生年金保険法第77条の規定による支給停止が行われることがある。
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step1 正解は・・・
A
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step2 解説
A ☓ (法82条3項、令4条4項) 被保険者が船舶に使用され、かつ、同時に事業所に使用される場合においては、船舶所有者以外の事業主は保険料を負担せず、保険料を納付する義務を負わないものとされているため、船舶所有者(甲)が支払った賞与額に基づいて保険料額を算定し、船舶所有者(甲)のみが保険料の半額を負担し、納付義務を負う。
B 〇 (法85条) 本肢のとおりである。被保険者の使用される船舶について船舶所有者の変更があった場合、又は当該船舶が滅失し、沈没し、若しくは全く運航に堪えなくなるに至った場合は、保険料の繰上徴収事由に該当する。
C 〇 (法87条1項1号) 本肢のとおりである。なお、計算した延滞金の額が100円未満である場合にも、延滞金は徴収されない。
D 〇 (法37条4項、令3条の2) 本肢のとおりである。保険給付の受給権者が死亡した場合に、その受給権者に支給されるべき保険給付であって、まだ支給されていないものがある場合には、死亡した受給権者の配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹又はこれらの者以外の3親等内の親族であって、受給権者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたもののうちの最先順位者が、自己の名で、その未支給の保険給付の支給を請求することができる。
E 〇 (法77条) 本肢のとおりである。障害等級に該当する程度の障害の状態にあることにより、老齢厚生年金の加給年金額の加算対象となっている子が、正当な理由がなく、実施機関による受診命令に従わず、又は当該職員が行う診断を拒んだときは、年金たる保険給付の全部又は一部につき、その支給を停止することができるものとされている。
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step3 コメント
・択一式の厚生年金保険法の問6は、正解肢であるAに関して、学習していれば判断がすぐに付く内容の問題であり、正答率が高くなったと思われます。
今日は練習問題はありません。
明日もがんばりましょう。
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2017年03月22日
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さて、20問目は、択一式の国民年金法です。
正答率74%の問題です。
<問題( 択一式 国年 問7 )>
〔問〕 国民年金法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
A 第3号被保険者の要件である「主として第2号被保険者の収入により生計を維持する」ことの認定は、健康保険法、国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法及び私立学校教職員共済法における被扶養者の認定の取扱いを勘案して、日本年金機構が行う。
B 18歳の厚生年金保険の被保険者に19歳の被扶養配偶者がいる場合、当該被扶養配偶者が20歳に達した日に第3号被保険者の資格を取得する。
C 繰上げ支給の老齢基礎年金を受けている62歳の者(昭和28年4月2日生まれ)が厚生年金保険の被保険者となったときは、当該老齢基礎年金は全額が支給停止される。
D 被保険者が保険料を前納した後、前納に係る期間の経過前に保険料額の引上げが行われることとなった場合に、前納された保険料のうち当該保険料額の引上げが行われることとなった後の期間に係るものは、当該期間の各月につき納付すべきこととなる保険料に、先に到来する月の分から順次充当される。
E 財政の現況及び見通しが作成されるときは、厚生労働大臣は、厚生年金保険の実施者たる政府が負担し、又は実施機関たる共済組合等が納付すべき基礎年金拠出金について、その将来にわたる予想額を算定するものとする。
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step1 正解は・・・
C
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step2 解説
A 〇 (法7条1項3号、令4条) 本肢のとおりである。なお、具体的な認定基準は、年間収入130万円未満であること等、健康保険法における被扶養者の認定基準と同様である。
B 〇 (法8条) 本肢のとおりである。第2号被保険者には年齢要件は付されていないため、被扶養配偶者が20歳に達した日において、第2号被保険者が20歳未満であっても、第3号被保険者の資格取得には影響を与えない。
C ☓ (平6法附則7条2項) 繰上げ支給の老齢基礎年金を受けている者(昭和16年4月2日以後生まれの者に限る)が、厚生年金保険の被保険者となった場合においても、老齢基礎年金は支給停止されない。なお、昭和16年4月1日以前に生まれた者については、国民年金の被保険者であるときは、繰上げ支給の老齢基礎年金の支給は停止される。
D 〇 (法93条、令8条の2) 本肢のとおりである。
E 〇 (法94条の2第3項) 本肢のとおりである。なお、政府は、少なくとも5年ごとに、保険料及び国庫負担の額並びに給付に要する費用の額その他の国民年金事業の財政に係る収支について、財政の現況及び見通しを作成しなければならないとされている(法4条の3第1項)。
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step3 コメント
・択一式の国民年金法の問7は、正解肢であるCが誤りであると判断できなくても、他の選択肢が明らかに正解であることから、消去法で正解にたどりついた人もいたのではないでしょうか。
今日は練習問題はありません。
明日もがんばりましょう。
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