2017年01月06日
「ランチタイム・スタディ」の第62問です。
「ランチタイム・スタディ」の主旨については、9月29日の佐藤塾ブログの「ランチタイム・スタディ」開始のお知らせをご覧ください。
「ランチタイム・スタディ」の活用法については、10月22日の佐藤塾ブログの「ランチタイム・スタディの活用法」をご覧ください。
さて、62問目は、択一式の徴収法です。
正答率50%&合否を分けた問題です。
※正答率50%ですから、ちょうど2人に1人が解けた問題となります。
※「合否を分けた問題」とは、「合格者だけの正答率」と「全体の正答率(ただし、全体正答率65%以下)」とで、20%以上差が開いた問題で、「2016年本試験 合否を分けた12問」(ガイダンス)で取り上げた問題です。
<問題(択一式 徴収 災問9)>
〔問〕 平成28年度の概算保険料に係る認定決定に不服のある事業主が行うことができる措置に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。
ア 事業主は、当該認定決定について、その処分庁である都道府県労働局歳入徴収官に対し、異議申立てを行うことができる。
イ 事業主は、当該認定決定について、その処分に係る都道府県労働局に置かれる労働者災害補償保険審査官に対し、審査請求を行うことができる。
ウ 事業主は、当該認定決定について、厚生労働大臣に対し、再審査請求を行うことができる。
エ 事業主は、当該認定決定について、直ちにその取消しの訴えを提起することができる。
オ 事業主は、当該認定決定について、取消しの訴えを提起する場合を除いて、代理人によらず自ら不服の申立てを行わなければならない。
A 一つ
B 二つ
C 三つ
D 四つ
E 五つ
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step1 正解は・・・
A
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step2 解説
ア ☓ (行審法2条)徴収法に関する処分に不服がある場合は、行政不服審査法に基づき、厚生労働大臣に対し審査請求をすることができる。改正により、平成28年4月から、概算保険料の認定決定に係る異議申立ての規定は、削除された。
イ ☓ (行審法2条、同法4条)事業主は、概算保険料の認定決定について、その処分に不服があるときは、行政不服審査法に基づき、「厚生労働大臣」に対し審査請求を行うことができるが、労働者災害補償保険審査官に対し審査請求を行うことはできない。
ウ ☓ (行審法2条)事業主は、概算保険料の認定決定について、その処分に不服があるときは、行政不服審査法に基づき、厚生労働大臣に対し「審査請求」を行うことができる。
エ 〇 本肢のとおりである。改正により、平成28年4月から、不服申立て前置の規定が削除され、厚生労働大臣に対し審査請求をするか、処分の取消しの訴えを提起するかを選択することができることとなった。
オ ☓ (行審法12条1項)行政不服審査法に基づく審査請求は、代理人によって行うことができる。なお、代理人は、各自、審査請求人のために、当該審査請求に関する一切の行為をすることができるが、審査請求の取下げは、特別の委任を受けた場合に限り、することができる(同法12条2項)。
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step3 コメント
・労災保険法問9にくる労働保険徴収法の問題は、概算保険料に係る認定決定に不服のある事業主が行うことができる措置に関する個数問題で、法改正からの出題でした。オが難易度が高く、あっさり解答できた人は少なかったと思われます。
今日は練習問題はありません。
来週もがんばっていきましょう。
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2017年01月05日
「ランチタイム・スタディ」の第61問です。
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さて、61問目は、選択式の雇用保険法です。
正答率52%の問題です。
※正答率52%~58%辺りの5割ちょっと超えの問題はかなり多いです。この辺りの問題が正解できるかどうかが正念場とも言えそうです。
<問題(選択式 雇用D)>
雇用保険法第58条第2項は、「移転費の額は、 D の移転に通常要する費用を考慮して、厚生労働省令で定める。」と規定している。
step1 できれば、選択肢を見ない状態で、答を紙に書いてみてください。
(選択肢を見てできればOKです。選択肢なしで書ければすごい!)
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step2 次の選択肢の中から答を選んでください。
⑦ 受給資格者
⑧ 受給資格者等
⑨ 受給資格者等及びその者により生計を維持されている同居の親族
⑩ 受給資格者等及び同居の親族
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step3 正解は・・・
D → ⑨ 受給資格者等及びその者により生計を維持されている同居の親族(法58条第2項)
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step4 コメント
・選択式の雇用保険法のDは移転費からの出題であり、やや細かい論点でした。⑨と⑩で迷われた方が多いように思われます。
今日は練習問題はありません。
明日もがんばりましょう。
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「ランチタイム・スタディ」の第60問です。
新年、最初の問題になります。
今年もよろしくお願いします。
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さて、60問目は、択一式の徴収法です。
正答率52%の問題です。
※正答率52%~58%辺りの5割ちょっと超えの問題はかなり多いです。この辺りの問題が正解できるかどうかが正念場とも言えそうです。
<問題(択一式 徴収 雇問10)>
〔問〕 時効、書類の保存等に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。
ア 労働保険料その他労働保険徴収法の規定による徴収金を徴収する権利は、国税通則法第72条第1項の規定により、5年を経過したときは時効によって消滅する。
イ 時効で消滅している労働保険料その他労働保険徴収法の規定による徴収金について、納付義務者がその時効による利益を放棄して納付する意思を示したときは、政府はその徴収権を行使できる。
ウ 政府が行う労働保険料その他労働保険徴収法の規定による徴収金の徴収の告知は、時効中断の効力を生ずるので、納入告知書に指定された納期限の翌日から、新たな時効が進行することとなる。
エ 事業主若しくは事業主であった者又は労働保険事務組合若しくは労働保険事務組合であった団体は、労働保険徴収法又は労働保険徴収法施行規則の規定による書類をその完結の日から3年間(雇用保険被保険者関係届出事務等処理簿にあっては、4年間)保存しなければならない。
オ 厚生労働大臣、都道府県労働局長、労働基準監督署長又は公共職業安定所長が労働保険徴収法の施行のため必要があると認めるときに、その職員に行わせる検査の対象となる帳簿書類は、労働保険徴収法及び労働保険徴収法施行規則の規定による帳簿書類に限られず、賃金台帳、労働者名簿等も含む。
A 一つ
B 二つ
C 三つ
D 四つ
E 五つ
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step1 正解は・・・
B
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step2 解説
ア ☓ (法41条)労働保険料その他労働保険徴収法の規定による徴収金を徴収する権利は、「2年」を経過したときは、時効によって消滅する。
イ ☓ (法41条、国税通則法72条2項)徴収金に係る権利の時効については、その援用を要せず、また、その利益を放棄することができない。つまり、時効の完成によって当該権利は当然に消滅するため、納付義務者がその時効による利益を放棄して納付する意思を示したときであっても、政府はその徴収権を行使することはできない。
ウ 〇 (法41条2項)本肢のとおりである。政府が、労働保険料その他徴収金の徴収の告知又は督促を行った場合は、民法153条の規定にかかわらず、時効は中断される。
エ 〇 (則72条)本肢のとおりである。
オ 〇 (法43条1項、コンメンタール)本肢のとおりである。
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step3 コメント
・択一域の雇用保険法問10にくる労働保険徴収法の問題は、時効、書類の保存等に関する個数問題でした。難易度が高い肢が含まれていますので、確実に正解することは容易ではなかったはずです。
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step4 練習問題(チャレンジしてみよう!)
次のA~Hに入るのは、「①1年、②2年、③3年、④4年」の中のどれでしょうか。
労災保険率(法12条2項)
労災保険率は、労災保険法の規定による保険給付及び社会復帰促進等事業に要する費用の予想額に照らし、将来にわたって、労災保険の事業に係る財政の均衡を保つことができるものでなければならないものとし、政令で定めるところにより、労災保険法の適用を受けるすべての事業の過去 A 間の業務災害及び通勤災害に係る災害率並びに二次健康診断等給付に要した費用の額、社会復帰促進等事業として行う事業の種類及びその内容その他の事情を考慮して厚生労働大臣が定める。
第1種特別加入保険料率(法13条、則21条の2)
第1種特別加入保険料率とは、その事業に係る労災保険率(メリット制の適用により引き上げ又は引き下げられたときは、その引き上げ又は引き下げられた率)と同一の率から労災保険法の適用を受けるすべての事業の過去 B 間の二次健康診断等給付に要した費用の額を考慮して厚生労働大臣の定める率(現在は「0」とされている)を減じた率をいう。
メリット制の要件(法12条3項、則17条)
連続する3保険年度中の各保険年度において、次の①~③いずれかに該当する事業であって、当該連続する3保険年度中の最後の保険年度に属する3月31日(基準日)において、労災保険に係る保険関係が成立した後 C 以上経過したもののうち、収支率が100分の85を超え、又は100分の75以下である事業であること。
非業務災害率(則16条2項)
「非業務災害率」とは、労災保険法の適用を受けるすべての事業の過去 D 間の通勤災害に係る災害率及び二次健康診断等給付に要した費用の額などを考慮して、厚生労働大臣が定める率(現在は「1,000分の0.6」)をいう。
書類の保存義務(則72条)
事業主若しくは事業主であった者又は労働保険事務組合若しくは労働保険事務組合であった団体は、徴収法又は徴収法施行規則による書類を、その完結の日から
E 間(雇用保険被保険者関係届出事務等処理簿にあっては F 間)保存しなければならない。
時効(法41条1項)
労働保険料その他この法律の規定による徴収金を徴収し、又はその還付を受ける権利は、 G を経過したときは、時効によって消滅する。
保険関係の消滅の申請(整備法8条2項)
保険関係の消滅の申請は、次の(a)~(c)の要件に該当する場合でなければ行うことができない。
(a) その事業に使用される労働者の過半数の同意を得ること。
(b) 労災保険に係る保険関係が成立した後 H を経過していること
(c) 特例により保険給付が行われることとなった労働者に係る事業にあっては、特別保険料を徴収される期間を経過していること
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step5 練習問題の解答
A~E → ③ 3年
F → ④ 4年
G → ② 2年
H → ① 1年
新年もがんばっていきましょう。
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