2025年02月26日

「ランチタイム・スタディ2025統計数値」の117日目は、「第19回中高年者縦断調査の概況」において、「縦断調査」が出てきたことから「調査手法及びデータの種類」を取り上げます。


調査手法及びデータの種類

(1)定量調査、定性調査

調査の手法には、大きく分けて2つに分類される。

① 定量調査

調査対象の「量」や「割合」を調べるのが、「定量」調査である。

たとえば、「1年間に企業が付与した年次有給休暇日数(繰越日数を除く。)をみると、労働者1人平均は17.6日、このうち労働者が取得した日数は10.9日で、取得率は62.1%」であるが、ここでは「量(日数)」や「割合(取得率)」を調べている。

社労士本試験で問われる各種調査の内容は、そのほとんどが定量調査といえる。

定量調査では、数値データとしての信頼性を確保するために、比較的多くのサンプル数が必要とされる。

たとえば、先ほど記載した「年次有給休暇の取得率」については、「就労条件総合調査」で触れられているが、ここでは、常用労働者30人以上を雇用する民営企業(医療法人、社会福祉法人、各種協同組合等の会社組織以外の法人を含む)のうちから、産業、企業規模別に層化して無作為に抽出した企業が対象とされ、令和5年調査の調査対象数(調査客体数)は 6,421社であり、 有効回答数 3,768社、 有効回答率 58.7%となっている。

定量調査の特徴としては、データが数値化されているため、調査結果の数値は表やグラフなどで表すことが可能で理解しやすい

ただし、データを数値化するためには、質問とその回答となる選択肢が予め用意されていなければならない。


② 定性調査

数字では表せない調査対象者の意見や行動などを探るのが、「定性」調査である。

たとえば、先ほど触れた「年次有給休暇の取得率」では、取得日数が少ない人を対象に、「どうして年休が取れないのか」を聞き取り調査することなどは定性調査に該当し、ある事象に対する理由や要因を深く探ることができる。

定性調査は、数値化できないデータの収集を目的とした調査で、通常1対1や数名のグループなど、比較的少ないサンプルで実施される。

定性調査の代表的な手法は「グループ・インタビュー」、個別の対象者を長時間にわたって面接する「深層面接法」、対象者の態度や行動、あるいは反応などを観察する「観察法」などがある。



<ポイント>
・労一の選択式では、各種調査に関する問題が過去に出題されています。前提として、この程度の理解は必要と思われます。



次回もがんばりましょう。



2025年02月25日

「ランチタイム・スタディ2025統計数値」の116日目は、「第19回中高年者縦断調査の概況」から「中高年者の生活に関する継続調査」の調査記載内容です。


中高年者の生活に関する継続調査

【第19回中高年者縦断調査の概況】

(6)調査の概要

① 「中高年者縦断調査(中高年者の生活に関する継続調査)」は、平成17年10月末現在で50~59歳である団塊の世代を含む中高年者世代を継続的に観察することにより、高齢者対策等厚生労働行政施策の企画立案、実施等のための基礎資料を得ることを目的として、平成17年度を初年として実施しているものである。

この調査は、従来から行われてきた横断調査毎回調査客体を替え、調査時点の実態を明らかにする調査手法)と異なり、同一客体を継続的に調査し、その実態や意識の変化、行動変化を把握し、詳細な分析を行う縦断調査(または「パネル調査」)」という調査手法により実施している。

② 厚生労働省が実施している縦断調査(パネル調査)として、本調査のほか、「21世紀出生児縦断調査」「21世紀成年者縦断調査」などがある。

③ 第19回の調査対象者の年齢は、68~77歳となっている。



次回もがんばりましょう。



2025年02月24日

「ランチタイム・スタディ2025統計数値」の115日目は、「第19回中高年者縦断調査の概況」から「中高年者の生活に関する継続調査」の調査記載内容です。


中高年者の生活に関する継続調査

【第19回中高年者縦断調査の概況】

(3)仕事をしている理由と就業希望の状況

仕事をしている者の仕事をしている理由を、比較可能な第6回と第19回とで比較すると、第6回では「現在の生活費のため」が男86.6%、女60.6%と最も高く、次いで、男は「将来の生活資金のため」40.4%、女は「現在の生活費を補うため」39.5%と高くなっている。

一方、第19回では「健康を維持するため」が男 53.8%、女55.8%と最も高く、次いで、は「現在の生活費のため」52.4%、は「社会とのつながりを維持したいから」43.4%となっている。


(4)健康維持のために心がけていることと健康状態

健康維持のために心がけていることとして挙げられている各項目に関し、第1回から第19回の全ての調査回で当該項目を選択した者について、第19回の健康状態による差(「よい」と思っている者に占める割合-「わるい」と思っている者に占める割合)を項目別に比べると、では「適度な運動をする」が4.6ポイントと最も高くなっている。

では「バランスを考え多様な食品をとる」が5.8ポイントと最も高く、次いで「適正体重を維持する」が5.7ポイントとなっている。


(5)社会参加活動と健康状態

この1年間の社会参加活動として挙げられている各項目に関し、第1回から第19回の全ての調査回で当該項目を選択した者について、第19回の健康状態による差(「よい」と思っている者に占める割合-「わるい」と思っている者に占める割合)を項目別に比べると、では「スポーツ・健康」が8.9ポイントと最も高く、では「趣味・教養」が9.4ポイントと最も高くなっている。




次回もがんばりましょう。